性感染症

性感染症とは

感染している人との性行為(セックス、アナルセックス、オーラルセックスなど)により感染します。病原菌を含む精液、腟分泌液、血液などが、口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染がおこります。
感染しても無症状であることが多く、治療に結びつかないだけでなく、自分の知らない間に他の人に感染させてしまうことがあります。
主に以下のような疾患が含まれます。

①尖圭コンジローマ

HPV(ヒトパピローマウイルス)によるウイルス感染症です。
自覚症状に乏しいですが、外陰部腫瘤の触知、違和感、帯下の増量、掻痒感、疼痛が初発症状となることが多いです。表面が刺々しく角化した隆起性病変が特徴で、淡紅色〜褐色の乳頭状、鶏冠状、あるいはカリフラワー状と表現されます。
好発部位は、男性では陰茎の亀頭部や陰嚢で、女性では膣、大小陰唇、子宮口などです。また男女とも、肛門及び周辺部、尿道口が好発部位として挙げられます。
20〜30%は3カ月以内に自然消退します。
外科的治療には、切除、電気メスによる焼灼法、液体窒素による凍結法などが挙げられます。

②性器クラミジア感染症

わが国で最も多い性感染症です。
若年層の女性に多く、成人では性行為により感染します。新生児は母親からの産道感染が生じます。クラミジア感染は男女とも性的活動の活発な若年層に多いです。
男性では尿道炎が最も多く、排尿痛、尿道不快感、掻痒感などの自覚症状が出ます。
淋菌性尿道炎に比べて潜伏期間は長く、2〜3週間とされます。女性では子宮頸管炎、骨盤内付属器炎、肝周囲炎、不妊などを起こしますが、自覚症状の乏しい場合が多いです。そのため、潜伏期間を特定するのは困難であるとされます。また、妊婦の感染は新生児のクラミジア産道感染の原因となり、新生児肺炎や結膜炎を起こすことがあります。
治療にはマクロライド系抗菌薬(ジスロマック®)が使用されます。クラミジアは男女間でお互いに感染させるいわゆるピンポン感染があるため、両者の治療を同時に行うことが重要です。

③淋菌感染症

淋菌感染症は、淋菌の感染による性感染症です。
淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅します。なので、性的接触以外で感染することはまれです。
男性は主として淋菌性尿道炎を呈し、女性は子宮頚管炎を呈します。男性の尿道に淋菌が感染すると、2~9日の潜伏期を経て通常膿性の分泌物が出現し、排尿時に疼痛を生じることが多いです。
女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多いです。
治療にはセフトリアキソンという抗菌薬の点滴を行います。

④梅毒

病原体は梅毒トレポネ−マという特殊な菌です。低酸素状態でしか長く生存できないため、感染経路は限定され、大部分は菌を排出している感染者との粘膜の接触を伴う性的接触によるものです。
梅毒は病気の進行が特殊です。自然に軽快する時期もあるため、治療が遅れてしまうことが多くあります。

  • 早期顕症梅毒 第 I 期
    [感染部位の病変]感染した約3週間後に、梅毒トレポネーマが進入した局所に、硬結、潰瘍が形成されます。無痛性の所属リンパ節腫脹を伴うことがあります。無治療でも数週間で軽快します。

  • 早期顕症梅毒 第 II 期梅毒
    [血行性に全身に移行]第 I 期梅毒の症状が一旦消失したのち4〜10週間の潜伏期を経て、手掌・足底を含む全身に多彩な皮疹、脱毛が出現します。発熱、倦怠感等の全身症状に加え、泌尿器系、中枢神経系、筋骨格系の多彩な症状を呈することがあります。第 I 期梅毒と同様、数週間〜数ヶ月で無治療でも軽快します。

  • 潜伏梅毒
    梅毒血清反応陽性で顕性症状が認めらないものを示します。主に、第 I 期と第 II 期の間、第 II 期の症状消失後の状態を示します。

  • 晩期顕症梅毒
    無治療の場合、約1/3で晩期症状が起こってきます。数年〜数十年の長い期間を経た後、後期潜伏梅毒の経過から、ゴム腫と呼ばれる長い非特異的肉芽腫様病変、進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺・脊髄癆等になど神経梅毒に進展します。
    検査には採血を要し、治療にはペニシリンなどの抗菌薬投与を要します。

⑤後天性免疫不全症候群(HIV)

住み着いた細菌を尿で流しだすことを目的として水分をたくさんとっていただきます。また、尿を我慢して膀胱にたくさんの尿が溜まっていますと、細菌はその尿の中で増えやすくなりますので、尿は我慢せずに頻繁にだしていただきます。腎盂腎炎では炎症を抑えるとともに細後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome, AIDS, エイズ)は、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)感染によって生じ、適切な治療が施されないと重篤な全身性免疫不全により日和見感染症や悪性腫瘍を引き起こす状態を言います。
近年、治療薬の開発が飛躍的に進み、早期に服薬治療を受ければ免疫力を落とすことなく、通常の生活を送ることが可能となってきました。よって、いかに早く診断し適切な治療をはじめることが出来るかが、個人にとっても社会にとってもこの感染症の拡大を押さえ込むための最も重要な点と言えます。
主な感染経路には、(1)性的接触、(2)母子感染(経胎盤、経産道、経母乳感染)、(3)血液によるもの(輸血、臓器移植、医療事故、麻薬等の静脈注射など)があります。血液や体液を介して接触が無い限り、日常生活ではHIVに感染する可能性は限りなくゼロに近いといえましょう。
HIVは体外に出るとすぐに不活化してしまう程脆弱なウイルスです。

HIV 感染の自然経過は感染初期(急性期)、無症候期、エイズ発症期の3期に分けられます。その間持続的に免疫システムの破壊が進行し、ほとんどの感染者は免疫不全状態へと至ります。

菌の増殖と炎症を抑えることを目的として腎臓のある部分を氷枕で冷やすことも大切です。

  • 感染初期(急性期)
    HIV感染成立の2~3週間後にHIV血症は急速にピークに達しますが、この時期には発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛などのインフルエンザあるいは伝染性単核球症様の症状が出現します。症状は全く無自覚の程度から、無菌性髄膜炎に至るほどの強いものまで、程度は様々です。初期症状は数日から10週間程度続き、多くの場合自然に軽快します。
  • 無症候期
    感染後の免疫応答により、ピークに達していたウイルス量は6~8カ月後にある一定のレベルまで減少し、定常状態となります。その後数年~10年間ほどの無症候期を過ぎると、発熱、倦怠感、リンパ節腫脹などが出現し、帯状疱疹などを発症しやすくなります。この期間は、HIV感染症に特徴的な症状はほとんどありませんが、他の性感染症や肝炎、繰り返す帯状疱疹、ヘルペスなどがきっかけとなってHIV感染が判明することも多いです。
  • エイズ発症期
    感染後抗HIV療法が行われないとHIV感染がさらに進行し、カリニ肺炎などの日和見感染症を発症しやすくなり、さらに進行するとサイトメガロウイルス感染症、非定型抗酸菌症、中枢神経系の悪性リンパ腫など普通の免疫状態ではほとんど見られない日和見感染症や悪性腫瘍を発症します。また、食欲低下、下痢、低栄養状態、衰弱などが著明となります。

3剤以上の抗HIV薬を組み合わせて服用する多剤併用療法が、今日のHIV感染症の標準治療法です。

図:尿管結石のレントゲン写真とCT所見

急性腎盂腎炎は尿路結石嵌頓に起因する最もポピュラーな合併症です。38度以上の発熱・背部痛などが出現します。
尿路閉塞に伴う閉塞性腎盂腎炎は、簡単に敗血症という命に係わる状態になるため、十分な注意が必要です。特に、糖尿病やステロイド内服、その他全身の状態により易感染状態の方はそのリスクが高くなると言われています。
結石性腎盂腎炎の治療には適切な集学的な内科治療に加え、尿管ステント留置や腎瘻造設といった早急な尿路ドレナージが必要です。

  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 神経因性膀胱
経尿道的前立腺切除術(TURP)術後の一般的経過

尿失禁とは

経尿道的前立腺切除術(TURP)の入院期間と費用

通常、術後4~6日目頃に退院となりますが、 病状・術後経過により個々の患者さんで違いがあります。
入院・手術に伴う費用については健康保険が適用されます。

図5:膀胱全摘術

図6:腹腔鏡下膀胱全摘術(イメージ図)