腎がん

腎臓は背部に左右1つずつあり、長さ15cm、重さ150~200gのそら豆状の臓器です。主な働きは尿をつくり体内の不要物質を排泄することですが、その他に血圧や造血、骨の状態を調節する働きも担っています。腎がんは尿生成を行なう腎実質にできる腺がんです。腎腫瘍は約90%が腎悪性腫瘍、すなわち腎(細胞)がんです。また腎盂粘膜より発生する腎盂腫瘍とは別の病気です。ここではおもに腎(細胞)がんについて説明します。腎悪性腫瘍(腎がん)の発生頻度は、人口10万人あたり2.5人程度です。年齢では40歳代から70歳代に多く発症しますが、近年では30歳以下の若年者の発症もしばしば見られます。男女比は2~3:1で男性に多い傾向があります。
泌尿器科系悪性腫瘍の中では、前立腺がん、膀胱がんに次いで多い腫瘍です。腎がんの発生する原因は他のがんと同様明らかなことはわかっていませんが、喫煙、性ホルモンなどが危険因子として知られています。また、透析中に腎がんが高率に発生することも報告されています。